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認知症の介護の問題 着衣に関すること


認知症にはあらゆる着衣に関する問題があります。

季節にあった服を選べない

アルツハイマー病では、ある病状が進んでくると

季節に応じた服装を選べなくなる状態が生じます。

寒いのに薄着という場合もありますが、


真夏に何枚も服を重ね着をするというような

厚いのに厚着というパターンのほうが

目立っています。


何枚も着こんで汗をびっしょりかいている人も

いますが、意外と涼しい顔をしている人もいるので

温熱感覚などの自律神経機能が障害されている

ことが深くかかわっているのかもしれません。


あまり着込み過ぎると体温調節がうまくできないほか、

動きにくくなるので転倒しやすくなる危険性もあります。


着こむことを否定しないで、適切な洋服を選んで

すすめてみます。


着替えない

認知症では、季節にあった服装を選べなくなるだけではなく

着替えをしたがらなくなります。


清潔の概念がくずれたり、環境が変化することを

嫌うことが関係しているのかもしれません。


さらに自分で服を着ることができなくなってきます。

最初はボタンをかけ間違えたりするように

なっていき、そのうちに裏表を逆に着てしまったり、

洋服を着る方法が分からなくなってきます。


できるだけ自分で着られるように

裏と表がわかりやすい服や、ボタンが少ない洋服を

選ぶとよいでしょう。


新しい服よりも着慣れた服を着続けることもあります。


いつも着ている服の方が安心感がえられるの

かもしれません。


同じ服を何枚か用意しておくのも1つの方法です。


入浴に関する問題

入浴を嫌がる

きちんと入浴をしていた人が突然入浴を嫌がり始める

ことがあります。

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入浴によって深部体温(体の中心の温度)

をあげると放熱が促されて眠りのスイッチが入ります。

介護する側としては湯船につかってほしいと

思いますが、本人は寒いとか風邪気味だから

などといって湯船に入ろうとしません。


清潔の概念が失われることに加えて

服を着ていない無防備な姿になりたくないという

心理状態の表れなのでしょうか。


浴室で転倒をしないための工夫も大切です。

例えば手すりを付けたり、滑り止めのマットを

置いたり、滑り止め付のいすを設置したり

石鹸などすべりやすいものは床に落ちないように

するとよいでしょう。


入浴を嫌がる場合は、ほかに清潔感を保つことを

心がけてください。

濡れタオルを適度にあたためて体を拭いてあげたり

してみてください。

冷えの解消などに足湯もよいでしょう。

足湯をするときは、椅子に座って

適温のお湯を入れた洗面器に足をいれます。


睡眠に関する問題

眠れない

認知症では、不眠は必ず起こるわけではありません。

本当に眠れていないかどうかを確認しましょう。

明け方3時に起きてしまうので薬を出してほしい

という家族に話を聞いたところ、

19時に就寝させていたという事例があったそうです。


睡眠時間は8時間とっているので、

3時に目が覚めても不思議ではありません。


生活のリズムに問題はあっても睡眠時間

には問題がありません。


睡眠時間が十分に取れていない場合は

昼間しっかり目覚めて過ごして

夜に自然に眠くなるようにしましょう。

昼間はおひさまと仲良くする時間を増やし、

夕方過ぎにはカフェインの摂取を控えましょう。


眠れない場合は睡眠薬を使うこともあります。

寝つきが悪いタイプとか早朝に目が覚めてしまう

タイプなど、不眠の状態に応じた薬を選びます。


昼夜逆転

昼と夜が逆転する原因には、夕方になると

落ち着きがなくなり、幻覚や異常行動を伴うこと

もあるせん妄があります。

夜眠れないため、昼間に眠くなったり、

昼に寝たので夜眠れないという悪循環に

なってしまいます。

こうなってしまうと家族も一晩中眠れません。

睡眠のリズムを取り戻す必要があります。


朝は決まった時間に起きて、おひさまにあたる

ことを心がけます。

せん妄のときに睡眠薬を飲ませるのは逆効果です。


せん妄に対する薬物療法では、抗うつ薬が有効です。

せん妄がある場合は、気分の落ち着く薬を夕食の後に

使って、昼と夜のリズムを作るのが大切です。

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