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【認知症の治療と診断】認知症テストや認知症の検査の詳細は?

認知症は問診やさまざまなテストや

検査の結果から総合的に診断されます。

進行を遅らせる薬などを使いながら

リハビリテーションを行って

認知症の進行を予防します。



認知症の診断はまず問診が行われ、

症状や困ったことなどから

認知症という疑いがある場合に

認知機能テストが行われて、何が原因か

を確認するために、血液検査、脳脊髄液検査、

画像検査などが行われます。


問診とは

どのような症状があって、いつごろから

どのように現れてきたのか詳しく聞かれます。

日常生活の状況や家族の病歴なども大切な

情報です。

ささいなことと思っていても日常生活に

どのような影響を及ぼしているのかが

重要です。

質問に対して、本人の記憶が抜け落ちていたり

質問をはぐらかされたりすることがあるので

家族が付き添って受診をするようにします。


必要に応じて家族が本人の代わりに

症状について医師に伝えます。

ただし、本人に代わって答える場合は

本人の尊厳を傷つけないように配慮することが

大切です。


問診は診断のためにも重要なので

病状や困ったことなどをメモしておいて

受診時に持参するとよいでしょう。


認知機能がどのように低下しているのかを

テストで調べる

認知機能がどの程度なのかを調べるために

認知機能テストが行われます。

日付や時間、場所など、記憶力を

調べるための質問が口頭で行われます。

テスト内容は医療機関によって異なりますが、

MMSEと長谷川式簡易知能評価スケール

改定版(HDS・R)が基盤となっています。



MMSEとは

今日は何日ですか?

ここは何件ですか?

など、11の質問に答えてもらいます。

30点満点のうち23点以下だと認知症の

疑いがあるといわれています。


国際的に広く用いられているかんたんな

テストです。

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長谷川式簡易知能評価スケール改訂版

年齢、時間、場所などの9つの設問に

答えてもらいます。

30点満点のうち20点以下だと認知症の

疑いがあるといわれています。

これらのテストの点数を認知症かどうかの

判断の材料にします。

ただし、点数だけではなく、テストを

受けている間の様子などもよく観察され、

それも判断材料となります。


さらに、視空間の認識や構成機能を見るために、

時間の文字盤と指示された時刻を指す針を

紙に描くなどのより詳しい検査が行われることもあります。



血液検査からビタミンB12欠乏症や甲状線

機能低下症などを鑑別

血液検査は、認知症を引き起こす内科的な

病気の有無を鑑別するために行われます。


例えば、ビタミンB12の吸収が低下すること

によって生じたりするビタミンB12欠乏症や

甲状線ホルモンの分泌が低下する甲状腺

機能低下症などの有無を血液検査で調べます。


血糖値やLDLコレステロール値などをチェックし

生活習慣病の有無を調べることも大切です。



脳脊髄液を調べて髄膜炎などを見つける

脳と脊髄は骨に守られていて、その周りは

脳脊髄液という透明な液体で満たされています。


この脳脊髄液を調べることは慢性の髄膜炎

などの認知症の原因となる病気を発見するために

有効です。

そこで、腰椎に針を刺して、脳脊髄液を

採取する検査が行われる場合があります。


アルツハイマー病の診断の役に立てるために

脳脊髄液に含まれるアミロイドβや

タウたんぱくなどについての研究も

進められています。


ただし、健康保険や適用されません。


脳の萎縮や血液の状態などを画像化して調べる

画像検査で見る脳の画像は脳の形を調べるための

形態画像と、脳の働きを調べるための機能画像

の2つに分けられます。


形態画像

脳の形を画像化してみることによって、脳の萎縮や

脳梗塞の有無、程度などが分かります。


検査法にはCT(コンピュータ断層撮影)やMRI

(磁気共鳴画像)などがあります。

CTではエックス線をいろいろな方向から照射する

ことによって輪切り状の画像を得ることができます。

MRIは、磁気を利用して画像化する方法で

認知症の原因を調べるのによく用いられます。



機能画像

脳の血流や糖代謝の状態などの脳の動きを

画像化する方法です。

SPECT(単一フォトン断層撮影)やPET(ポジトロン

断層撮影)などがあります。


SPECTは、放射性医薬品を静脈注射あとに

撮影して脳内の血流の状態を調べます。


PETは陽電子(ポジトロン)という粒子を

放出する物質を含む医薬品を静脈注射したあとに

撮影する方法です。


認知症の診断では、ブドウ糖によく似た物質

であるFDG(フルオロデオキシグルコース)

を利用して、脳の糖代謝状況を調べます。

脳内のアミロイドβの蓄積状況を

PETによって画像化するアミロイドイメージング

も期待されています。

以上のようなことが認知症の診断では行われます。