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非定型うつ病

非定型うつ病とは、うつ状態が長く続くものの、従来の

うつ病の特徴と言われてきた不眠や自責感などをあまり

伴わないタイプのうつ病です。

薬での治療のほかに、生活のリズムを整えることが

大切です。


非定型うつ病とは?

非定型うつ病とは、定型的なうつ病(大うつ病)とは

異なる特徴があるうつ病です。


近年患者さんが増える傾向があり、20代から30代の

若い女性に多く見られます。


非定型うつ病は過食・過眠・倦怠感が特徴

非定型うつ病の患者さんは、食べると気がまぎれるので

よく食べます。

食べ過ぎによる肥満になることがよくあります。

睡眠時間が1日11時間とか12時間以上になることが

しばしばあり、生活のリズムが乱れがちです。

しかも眠りが浅いため満足感が得られずに

日中にも強い眠気が襲います。

また強い倦怠感も見られます。

気持ちが落ち込むと、体が鉛の重りを詰めたように

重く感じられるのも病状の一つです。


非定型うつ病の人は気分が変わりやすい

対人関係に敏感で、注意されるなど自分に不利な状況になると

極端に気持ちが落ち込み感情的になったりします。

逆に、やさしくされたりほめられたりすると、気分が良くなって

一時的にうつ症状が消えます。


また、朝と昼は調子がよくて、夕方から夜になると抑うつ症状

が重くなるというパターンがある人が良くみられます。

この病気のことをよく知らない人の目には、うつ病ではなく

わがままに映ることもあります。


典型的なうつ病では自分を責めることが多い(自責的)

のに対し、非定型うつ病では、周囲の人に責任を転嫁し、

他人を責めることがあります(他責的)。

本人の考え方や性格に甘えや自己愛が強い傾向がうかがえる

場合もあります。

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非定型うつ病の治療

薬物療法、認知療法のほか生活のリズムを整える

薬物療法

主にSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を用いた

治療が行われます。

SSRIで十分な効果が得られないときには、うつ病(大うつ病)

の治療に準じて他の薬を使っていきます。

以前は、パーキンソン病の治療に使われているMAO(マオ)

阻害薬が効果を発揮するといわれていました。

でも、最近では、必ずしもすべての患者さんに効果があるわけ

ではないことが明らかになっています。

また、うつ病の患者さんにMAO阻害薬を使うことは

健康保険では認められていません。

薬物療法は、非定型うつ病の重要な治療法の一つでは

ありますが、薬物療法だけで改善するのは難しいです。


認知療法

非定型うつ病では、他人から見れば喜ばしいことがあっても、

否定的にとらえる傾向があります。

例えば職場で課長に昇進という内示が出ていても

喜ぶよりも年功序列だからとか、順番だからなどと

前向きに考えない傾向があります。

そこで認知療法により、ものごとのとらえ方や考え方を

見直して偏りを修正していきます。

非定型うつ病では、薬物療法と並行して認知療法がおこなわれる

ことが多く、しばしば高い効果が得られています。


休養がよいというわけではない

うつ病(大うつ病)では、休息をとることが欠かせませんが、

非定型うつ病の場合は、休養して社会から離れると

かえって改善を遅らせることがあります。

仕事でも家事でも、自分ができる範囲でこなしながら生活の

リズムを整えることが大切です。

非定型うつ病は治療に時間がかかる病気です。

薬物療法や認知療法を行いながら、あせらずにつきあっていく

という気持ちで取り組んでいきます。


気持ちを理解しつつ過保護にはしない

周りの人は患者さんに振り回されないようにする

抑うつ症状自体はそれほど重症ではありません。

なるべく普段と同じように接します。

患者さんは気分にむらがあり、ちょっとしたことで不機嫌になったり

号泣したりします。

そのような特徴があることを理解して、振り回されないように

します。

原則として批判するのは禁物ですが、患者さんにちゃんと

いうべきことはいうことも必要です。


自分だけの時間をもつ

周りが患者さんにつきあって自分の生活を変える必要はありません。

我慢しすぎるとたまった不満が爆発してかえって患者さん

との関係がこじれることがあります。

自分のためにもリラックス出来る時間を確保しましょう。

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